【士業に訊け!司法書士・岡野慎平 】
Vol.2 士業スタートは新宿の雑居ビル?!

まだまだ我慢を強いられるコロナ禍に、ジメジメした梅雨の時期が加わり、ストレスの溜まる日々が続きますが、みなさまお元気ですか?司法書士法人キャストグローバル広島事務所代表社員の司法書士、岡野慎平です。司法書士を志して試験に合格するまでを綴った前回に続く第2回目は、司法書士を生業(なりわい)としてスタートした頃を振り返ってみます。

さて、士業の人は資格試験をパスしたのち、どうやって自分の食い扶持を得ているのか?みなさん疑問に思われているかもしれませんね。司法書士の場合、試験をクリアすれば独立開業してもかまいませんが、現実的にはコネがあったところで実務経験がないと勝手に動けないので、まずは全国にある司法書士会に登録して、そこで催される新人研修に参加し、半年くらい実務を学んで独立するか、どこかの司法書士事務所に就職するのが通例です。

わたしは試験に合格した後、司法書士会に求人が来ていた司法書士法人(※現在所属するキャストグローバルの前身)に就職しました。忘れもしない平成18年10月8日のことです。この法人を志望したのは、当時、東京、名古屋、大阪に3拠点を持つ大手だったこともありますが、最大の理由は、新宿に事務所があったこと。とにかく都会で働きたかったわたしにとって、東京でも有数の繁華街“新宿”に職場があるということが何よりも魅力的でした。ところが…。

都心のカッコいいオフィスに毎日通う自分の姿を想像し、期待に胸を躍らせて所在地を訪ねてみたところ、地名こそ“新宿”でしたが、最寄駅は新宿のひと駅手前の総武線“大久保”で、日本三大歓楽街のひとつ“歌舞伎町”のすぐそばにある雑居ビルでした。1階にラーメン屋、2階にマッサージ店が入居する怪しげなビルの3階のワンフロアがわたしの司法書士としてのスタート地点だったのです。広島で言えば、流川にある雑居ビルのような佇まいで、思い描いていたイメージは音を立てて崩れました。

入社した当時の事務所は、わたしの席の前に5人の先輩司法書士がいて、事務員さんと合わせて13~14人の所帯でした。先輩たちには個性的な人が多く、特に向かいの席に座る人は、目が合うとすくみ上がりそうなスキンヘッドのいかついルックスで、とても堅気の人には見えません。聞いてみると、中卒のヤンキーだったけれど、一念発起して猛勉強し、司法書士になったとのこと。自分も大学を中退したので最終学歴は高卒です。周りから「高卒の司法書士は珍しい!」ともてはやされて少し天狗になっていましたが、「上には上がいるものだ」と落ち込みましたね(笑)。

そういえば、入社してしばらく経って、あることに気付きました。わたしは大学時代、立川に住んでいたので新宿には中央線一本で移動できることから、貧乏学生が集っては歌舞伎町の安酒場によく通っていたんです。その頃は、若さにまかせてビールをビッチャーで一気飲みしたり、それはもうひどいものでした。ある日の新入生の歓迎コンパで、調子に乗って飲み過ぎたわたしは酔いつぶれてしまい、救急車で運ばれる羽目に。毎日通勤していて、どこかで見覚えがある景色だと思っていたら、その時に運び込まれたのが事務所のビルの目の前の病院でした。まさか自分の記憶から消し去りたいような恥ずかしい思い出の場所で、社会人として、司法書士として、第一歩を踏み出すことになるとは!?人の運命は、わからないものです。

さて、なかなか真面目な士業の実務の話に移れませんが、おいおい散りばめていく予定ですので、引き続きご愛読よろしくお願いします!

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