【士業に訊け!司法書士・岡野慎平 】
Vol.8 広島参上!活路を求めて流川へ?

【士業に訊け!司法書士・岡野慎平 】


弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士など、「士業」(通称さむらい業)の面々が指南するお役立ちコラムです。

3月は目が回るほど仕事が忙しく、少しご無沙汰しているうちに、いつの間にか桜が散ってしまいました。みなさまお元気ですか?司法書士法人キャストグローバル広島事務所代表社員の司法書士、岡野慎平です。今回は、いまいちモチベーションが上がらなかった埼玉大宮から、心機一転を図るべく家族と共に広島参上!いよいよ現在に至る広島激闘編の始まりです!

前回お伝えしたように、赴任するまで広島県には福山市へ出張したことがあるくらいで、広島市内には立ち寄ったことすらありません。駅を降り立つと、小学校の時に「はだしのゲン」を読んで抱いていた戦争被災地のイメージが微塵も感じられないほど、都市化が進んだ街並みにビックリ。気持ちも新たに頑張ろう!と仕事意欲が湧いてきた言いたいところですが…正直なところ、当時は娘が1歳になるかならないかの頃で、「妻の実家が倉敷にあるので親元に近くて良かった」とか、「東北大震災の直後、放射能の影響が懸念されていた関東圏から離れられて良かった」とか、仕事以外のことで広島に転勤してきたメリットを先に感じておりました。

さて、2012年5月の連休明けから、新たな勤務先となった「広島事務所」は都心部、紙屋町の目抜き通りにあるビルの5階という好立地でした。拠点を開設してから2年ほど経っており、初代所長のあと上野興一社長がしばらく面倒を見ていたので、わたしは実質的に2代目の所長です。事務所のメンバーは5人で、本社ベースの仕事が主体でしたが、首都圏など他の拠点では既に完了していた債務整理業務から登記業務へ扱い業務をシフトチェンジする作業をまだ進めている最中でした。

右も左もわからない土地での営業が始まりました。賃金業法の改正を見据え、業務の柱になっていた債権整理業務から撤退し、司法書士本来の業務である登記関連に比重を置くことを決めた上野社長の方針を広島事務所に早く定着するためには、飛び込み営業もやぶさかではありません。ところが、地の利はないし、知り合いもいないのでどうにも成果が上がりませんでした。転勤族の方からよく聞かれる「広島は地元意識が強い街なので、なかなか外様を受け入れてくれない。ただし、一度受け入れてもらえるとこれでもか!というほど親しくなれる」という説を痛感した次第です。難攻不落な地域に溶け込む近道はないものか…?そうです。わたしの場合は“夜の社交場”歓楽街がありました。

前任地で歌舞伎町、ススキノと“日本三大歓楽街”の二つを制覇した男とすれば、“中・四国地方最大のネオン街”流川であろうと、相手にとって不足なし。しかも、新入社員でお金もない上、司法書士としての知名度も低かった歌舞伎町時代、結婚して女房持ちになったばかりで羽目を外せなかったススキノ時代とは状況が大きく違います。歳を重ねて三十路を迎え、経済力もあるし、家庭環境も落ち着いてきたので臨戦態勢は万全です。

「仕事も遊びもリミッターを外して頑張るぞ!」との思いを胸に秘め、取引先や同僚を誘って流川に足繫く通ううち、いつしか「赤シャツの岡野」というわけのわからないあだ名をいただくようになりました。命名の由来は、酔っぱらう度に白いシャツをワインで赤く染めるからだそうです。こうして夜の社交場を通じて地元の人脈を増やし、地域に対する理解を深めていくと、東京や札幌に比べて都市機能がコンパクトにまとまり、サイズ感もちょうど良い広島の水が合ったのか、この街のことが大好きなっておりました。

一方、仕事の方では、同じフロアに事務所を構えていた弁護士法人リーガルジャパンの代表社員・蓮見和章さんと親しくなり、弁護士と司法書士というお互いの機能を活かして連携する機会が増えていきました。リーガルジャパンを通じて大手不動産会社ともご縁をいただき、蓮見さんたちが講師を行うセミナーイベントにも同席するなど、広島事務所として新しい試みに取り組むようになったのもこの頃からですね。街にも馴染め、ようやく進み始めた新天地での活動の続きは…また次回に!

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