【広島人の履歴書】
File.5 蓮見和章さん 弁護士法人リーガルジャパン 代表弁護士 《続編》

【広島人の履歴書 】


広島と縁のある各界のオピニオンリーダー自らが語る今日までの足跡。知られざるエピソード満載の履歴書(プロフィール)には、現在を生きるヒントが隠されています。

裁判所のIT化や企業相談の増加など
コロナ禍を経て変化した弁護士活動

埼玉県で生まれ育ったわたしが弁護士となり、司法修習生として訪れた広島が大好きになって、この地で弁護士法人を開業――現在に至る足跡を「広島人の履歴書」としてまとめてから早いもので1年半余りが過ぎました。この自分史を作成したのは、世界中で猛威を振るった新型コロナウィルスが少し収束に向かい始めた頃でしたが、コロナも今年2023年5月には季節性インフルエンザなどと同じ“5類感染症”に移行し、まだまだ注意が必要とはいえ、人々の暮らしもようやく平常に戻りつつあります。今回は続編として、コロナ禍により変化した弁護士を取り巻く環境の中での活動や、プライベートの近況について、わたしの履歴書の新たな頁としてお伝えします。

東京事務所が本格稼働

既にお伝えしたように2012年にわたしが代表となって設立した「弁護士法人リーガルジャパン」は、発祥地である広島事務所の他に山口県周南市に「徳山事務所」を、東京都千代田区丸の内に「東京事務所」を開設しています。広島と同じ年に開いた徳山事務所に続いて、2020年5月に開設した東京事務所については、コロナの影響を受け、当初の予定より遅れて2021年1月から本格稼働いたしました。司法修習を終えた頃に抱いた「研修期間を過ごして大好きになった街、広島と関東出身で自分の生まれ育った地域で仕事をしたい」という夢を実現すべく、開設準備を進めていただけにコロナで足止めをくらって歯がゆい思いをしたものです。

感染拡大が鎮まり、東京への移動が回復した2022年の夏くらいからは、わたしも毎月定期的に出張していますが、現在の東京事務所は、昔からよく知る先輩の女性弁護士と事務員の2人体制で、東京、埼玉、千葉など関東一円をエリアに活動しています。扱う案件には、女性弁護士ならではの家事(離婚の)関係や、インハウス(社内弁護士)経験を生かした企業法務などの専門的な相談が多いですね。最近では法務機能の外注化に特化した「リリガル」という新サービスも提供しています。今後は事務所のメンバーを増やすなど、関東エリアの中枢拠点として機能をさらに充実させていく方針です。

コロナ禍で生じたあれこれ

コロナ期間中といえば、わたしたちの事務所も他の企業と同様に従業員の在宅勤務を採用するなど、出勤シフトを編成したり、事務所内での感染防止に向けて仕切りとなるパーテーションを設置して平常時とは違うスタイルで業務に取り組んでいました。一方、コロナにより裁判所等の行政機関も体制が変化しましたね。これまで裁判所で行っていたやりとりがWEBを使って、オンラインで訴訟手続きができるシステムになったので、従来のように弁護士や相談者が裁判所まで足を運ぶ必要がなくなりました。コロナ禍を機に裁判所が採用したWEBによる相談や会合の新たな運用の仕方は、民事訴訟手続きなどのデジタル化を加速させているので、ある意味では弁護士にとっても合理的な環境になったかもしれません。

一方、わたしたちが取り扱う案件については、ここ最近、企業からの様々な相談ごとが増えてきました。2022年4月からは、これまで大企業のみに適用されていた通称「パワハラ防止法」が中小企業や個人事業主も含め、すべての事業者に適用されることになり、事業者はハラスメント対策を行わなければならない義務が課されています。そのような背景もあり、ハラスメントの相談を受けることも多くなりました。また、コロナ禍による売り上げダウンの際に受けた融資の返済猶予期間が無くなることで、資金難にお困りの経営者の相談も徐々に増えてきています。企業の問題は、そこに勤務する従業員全員の生活に影響しますからね。経営者として最善の解決策を求められるわけです。

このところ急増した企業案件について、「人に寄り添う、身近な存在でありたい」、「その人の未来を良くするために問題を解決していきたい」を弁護士の目標とするわたしとしては、かねてから提唱している「予防法務」や「戦略法務」の大切さを以前にも増して強く感じるようになりました。みなさんが健康診断しておくことで重い病気になるのを未然に防ぐように、企業も「何かあったら…」ではなく、現在の契約書や職務規定、広告・ブランド戦略の内容が法的に問題はないか、日頃から常にチェックしておく必要があります。何も対策をとらないままで、予期せぬ大きなトラブルが起きてしまうと、経営者の方はその対応に時間も労力もお金もかかってしまうし、経営に集中出来なくなってしまう。それこそ「備えあれば憂いなし」。有事の際に慌てて相談するのではなく、企業を経営する上で少しでも気になることがあるときは、すぐに弁護士に相談するように心掛けてください。

朝型ライフ&久々に演劇脚本執筆!

弁護士などの士業は、毎日夜遅くまで机について仕事をする職種のように思われそうですが、わたしのライフスタイルは早朝から活動するいわゆる“朝型”が基本です。コロナ禍で家族と過ごす時間の大切さを実感してからは、特に朝の時間を有効活用したいと考えるようになりました。今では、平日は毎朝4時ごろ起床して5時から5時半の間には事務所に出勤し、1日の仕事を終えるのは18時~18時半頃で、それから帰宅して22時には床に就くのがルーティンなんですよ。早寝早起きの生活の中で、特に気をつけているのは睡眠時間の長さよりも睡眠の質を重視すること。普段から着用しているヘルスウォッチのデータを見ながら日々、眠りの深さを確認しています。従って、仕事の付き合いで食事や飲みに出かける以外は、アルコールで眠りが浅くなるのを防ぐため、自宅ではほとんどお酒を飲まなくなりました。ビール1杯で全然違いますからね。おかげで体調はすこぶる良好です。「早起きは三文の得」のことわざどおり、朝型ライフを実践すると、誰もいない事務所で仕事もはかどるし、好きなことや趣味にも時間が有効利用できます。文書を書くのもそのひとつで、事務所のホームページのブログを書いたり、地元月刊誌の連載コラムを担当したり、時には演劇の脚本を書くことも。

そういえば、今年(2023年)4月に広島市青少年センターで開かれた広島弁護士会主催・ピピオ子どもセンター後援「子どもの日記念シンポジウム」の演劇“マイボイス~その思いが届くとき~”の脚本を久しぶりに執筆いたしました。このイベントには、地域交流の一環として以前から携わってきましたが、新型コロナの影響でしばらく開催が困難な状況にあり、今年ようやく従来の形式での開催が決まったので、5~6年ぶりにわたしが脚本を引き受けることに。今回の作品では、「子どもの意見表明」をテーマに、子どもたちが様々な場面で、大人や周りの人に気を遣ったり、自分の気持ちを言えない姿を描くことで、親が子どもたちの声に耳を傾ける必要性を劇にしてみました。当日の会場では、出演した高校生の迫真の演技もあって、観客の方から「言いたくても言えない子どもたちの気持ちが伝わり、胸が締め付けられるようでした」といったリアルな感想をいただけて、とても嬉しかったです。

プライベート、家族について

学生時代、ラグビーに熱中していたせいか、コロナがひと段落したいま、余暇はやはりスポーツで身体を動かすのが一番楽しいですね。仕事仲間と月一回のフットサルを筆頭に、以前よりもプールに通う回数は減ったけれど昔から続けてきた水泳のほか、これまで付き合い程度にやっていたゴルフをもう少し上手くなろうと本格的に練習しはじめたところです。また、15年ほど前からずっと続けているマラソンについては、来年3月に開かれる「東京マラソン」に挑戦しようと考えています。42.195キロのフルマラソンを完走するのは年齢的にもこれが最後と思うので日頃から鍛錬すべく、白島の自宅から紙屋町の事務所まで出勤する時はウォーキング、帰宅する時はランニングするのが日課になりました。

仕事を離れれば、家族との時間も大事にしています。我が家は、わたしと妻、7歳の長男、4歳の次男、1歳の長女の5人家族(2023年10月現在)なので、休日は息子たちと近所の公園でサッカーやキャッチボールをしたり、アウトドア活動を楽しむほか、みんなでカープや浦和レッズの試合観戦に出かけたり。スタジアムにもよく足を運びますね。「もちろん家族全員、カープファン」と言いたいところですが、実はわたしは昔から阪神ファンでもありまして…。その昔、最下位が指定席だった阪神の応援をすることで「社会的弱者」のために力になれる弁護士を目指したのかもしれません。今年(2023年)カープは残念でしたが、わたしとしては阪神の久しぶりのセ・リーグ優勝を密かに嬉しく思っています。

先ほど、しれっと“浦和レッズ” のチーム名を出してしまいましたが、サッカーに関して埼玉県出身の私はもちろん地元、浦和レッズのサポーターです。息子たちもレッズの試合を観に行った時のサポーターの熱さに魅了され、今ではすっかりレッズサポーターの一員になってくれました。2024年に開業するサンフレッチェ広島の新スタジアムで、息子たちと浦和レッズのサポーター席に陣取って応援するのが楽しみです。

そしてこれから…

これまで述べてきたようにコロナ禍を経て、わたしたち弁護士を取り巻く環境にも大きな変化が生じています。裁判手続きのIT化に拍車がかかり、裁判所へ足を運ぶ回数も激減しましたし、WEBを使ったオンラインやリモートの定着により、弁護士業務を行う上でこれまで重要視されていた拠点の場所や活動エリアが関係なくなってきました。とはいえ、変化する時代の中で、事例のなかった問題やどんなトラブルがいつ起こるか?は誰にもわかりません。わたしは、世の中がどう変わろうと、有事の際に人の生活のあらゆる場面で適用される法律の専門家として「誰にも相談できずに悩んでいる人をひとりでも多く笑顔にしたい」という気持ちだけは忘れないつもりです。10年後、20年後、そしてその先も、この思いだけは変わらないでいたい。家族や事務所のメンバーなど、周囲の人との縁に恵まれていることに感謝しつつ、これからも1日1日、自分に出来ることを大切に楽しんでやっていきたいと思います。

《蓮見和章(はすみ かずあき)PROFILE》

弁護士法人リーガルジャパン代表弁護士。1979年12月11日生まれ。

埼玉県川口市出身。埼玉県立浦和高校卒業後、早稲田大学法学部へ進学。早稲田大学法学研究科民事法学専攻(商法)単位取得を経て、学習院大学大学院法務研究科修了。2006年より弁護士として活動。東京弁護士会所属。

趣味
〇スポーツ全般(※観戦もプレーも)
〇ドラマ観賞(※特にラブコメ)
〇3人の子供と遊ぶこと(長男、次男、長女)

【法人概要】
〇法人名  弁護士法人リーガルジャパン

〇事務所  【広島事務所】
〒730-0031
広島市中区紙屋町1丁目3-2 銀泉広島ビル5階
TEL 082-545-7728 FAX 082-545-7729
受付時間 AM9:00~PM5:30

【徳山事務所】
〒745-0015
山口県周南市平和通1丁目23番地 宮崎ビル2階
TEL 0834-21-2902 FAX 0834-21-2903
受付時間 AM9:00~PM5:30

【東京事務所】
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1丁目6-2 新丸の内センタービル20階
TEL 03-6634-7867 FAX 03-6810-0177
受付時間 AM9:00~PM5:30

■リーガルジャパンホームページ
https://www.legaljapan.hiroshima.jp/

■予約専用フリーダイヤル
0120-37-5596 (受付時間 平日9:00~17:30)

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