【士業に訊け!司法書士・岡野慎平 】
Vol.11 相続あれこれ!

【士業に訊け!司法書士・岡野慎平 】


弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士など、「士業」(通称さむらい業)の面々が指南するお役立ちコラムです。

連日、猛威を振るう新型コロナウィルス。8月23日時点で自宅療養ないしは自宅待機をしている人が7万548人と、初めて7万人を超えたとのこと。かくいうわたしも先日、のどの痛みと熱っぽさを感じたので、家族や社員のことを考えて自主的にホテル隔離を実行、翌日検査したところ結果は陰性でした。杞憂に終わり、まずはひと安心と思いきや、今度は急に歯が痛みだしたので歯医者さんを訪ねてみると、虫歯の進行が発覚⁉子供の頃に矯正治療して以来、25年ぶりに歯科通いをすることになった司法書士法人キャストグローバル広島事務所代表社員の司法書士、岡野慎平です。

さて、前回からは広島事務所の近況はじめ、司法書士がどんな仕事をしているのか?司法書士に何を相談すればよいのか?といった情報をお伝えしております。今回は、みなさんの生活に関わり深い「相続」についてお話ししましょう。

既に経験された方はご存知だと思いますが、お身内の方が亡くなられると、相続に関する様々な手続きが発生します。ざっと挙げてみるだけでも、〇死亡保険金の請求  〇預貯金の解約 〇運転免許の死亡取消 〇遺品の整理 〇世帯主変更届 〇車の名義変更 〇相続税の申告 〇遺言書の検認 〇戸籍の取得 〇相続放棄 〇個人事業の継承 〇年金受給者死亡届 〇遺産の分割協議 〇不動産登記 〇遺産の調査 〇死亡一時金の請求 〇契約者変更手続き 〇準確定申告 〇ゴルフ会員権の承継…といったところ。これらの手続きを項目によっては3ヵ月か4ヵ月以内、もしくは10ヵ月以内に済まさないといけません。

相続される方は、葬儀屋さんや金融機関などから、必要な手続きを案内されるものの、自分でやろうとすると、時間や手間がかかってしまい大変なストレスになってしまいます。そのため、葬儀業や金融機関から司法書士に依頼がくるわけですが、わたしたちの場合は、司法書士が登記業務を行う司法書士法人キャストグローバルと、相続コンサルタントが各種相続手続きを行う株式会社キャストグローバルの二つの機能を備えているのが強味です。戸籍収集、財産調査、遺産分割協議書の作成、金融機関等相続手続きへの分配はじめ、市役所や年金に関する手続きまで“ワンストップサービス”で対応できるほか、弁護士など各分野の専門家への連携もスムーズに行えますからね。「相続に関する手続きはキャストグローバルにまるっとおまかせください!」との意気込みで常に誠心誠意で業務に取り組んでいます。

とはいえ、被相続人(故人)から財産を相続される方の状況は、それぞれ相談ごとに違うので業務に対応する上での課題は少なくありません。例えば、一人でも相続人が欠けていると遺産分割協議ができないため、まずは全員の戸籍を集め、生死を確かめて本人にコンタクトをとることからスタートします。中には兄弟のひとりが30年間、音信不通とか行方不明といったケースもあり、その場合は家庭裁判所に申し立てして不在者財産管理人や失踪宣告の手続きをする必要があります。

最近、うちが手掛けた案件でも被相続人の兄弟が鹿児島で生活しているのはわかっているけれど、ご家族とは現在、音信不通という相談を受け、広島の腕利きの探偵さんに動いてもらって、なんとか無事に解決できました。あと、遺産となった不動産の売却をめぐって被相続人の後妻の方と前妻のご子息たちの話し合いがつかず、当法人と連携する弁護士さんが家庭裁判所の遺産分割調停で解決に漕ぎつけた案件など、印象深いエピソードも沢山ありますよ。

亡くなった人の財産などの権利や義務を引き継ぐという残された身内の方の人生において最も重要な出来事だけに、トラブルも起こりやすく、諸々の手続きも大変ですが、そのお手伝いに従事する者としては、やはり相談者の方から「あなたのところにお願いして良かった!」とか「司法書士さんのおかげです!」と感謝していただけるのが何よりの喜びです。ちなみに、わたしたち広島事務所では、昨今、耳にする機会が多くなった「終活」にあたる生前サポートにも力を入れておりますので、相続について気になることや、わからないことがあれば、お気軽にご相談ください!

というわけで、今回はこれまでとは、ひと味違うちょっと真面目な路線に走ってしまいましたが、実はこれが普段のわたし!読者のみなさんに、いつもネオン街やキャバクラにうつつを抜かしている破天荒な司法書士ではないことが伝われば幸いです。おっと、そろそろ歯医者さんに虫歯の治療に行かなくては。次回も乞うご期待!

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