【名盤紀行 】
Vol.15 デヴィッド・ボウイ

【名盤紀行 】


長崎市出身、広島市在住。映像&イベントの制作会社の広島本社に20年、東京支社に10年勤務。今は「レコードバー野中サンハウス」の店主。今日のレコードは、なあに?

みなさま、あけましておめでとうございます。流川の「レコードバー野中サンハウス」店主でございます。本年もよろしくお願いいたします。2018年冬に開店した「野中サンハウス」では、「アナログ・モノラル・ローファイ」を合言葉に、日々様々な音楽をお楽しみいただいております。2022年正月、遂にあの映画が公開される。デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー映画「ジギー・スターダスト」、1月14日から八丁座にて。必見!

さて、そもそもデヴィッド・ボウイとは?1947年、ロンドン生まれ。1967年、デビューアルバム発表。1983年、大島渚監督映画「戦場のメリークリスマス」に出演。2016年、69歳の誕生日にアルバム「ブラックスター」を発表。しかも同日、癌に侵された身体に鞭打ちフォトセッションを敢行し、ニッコリ笑った写真を撮っている。その2日後の1月10日、他界。結果、生き方も、死に方も、格好良かったことになる、サスガ。

で、いきなり「ジギー・スターダスト」、1972年にリリースされたボウイ5枚目のアルバム。当時の邦題は、「屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」と言う、とんでもなく長い物であった。内容は、「5年後に滅びようとしている地球に、異星から来たスーパースター“ジギー・スターダスト”、その成功、没落、絶望、復活」らしい。このアルバムのツアー最終日、1973年7月3日、ロンドンのハマースミス・オデオン劇場でのライブ映像をデジタル・レストアした映像が、この度の映画「ジギー・スターダスト」なのだ。

この時期のボウイ、なんとも人間離れしている。体形は極端な細マッチョ。メイクも変だ。山本寛斎による衣装もスサマジイ。ギターのミック・ロンソンとの絡み具合も激しい。ふと思い出した。この映画のVHS、むかし持っていました。あのザラザラの映像がデジタル・リマスターによる美しい画像になるとは、スバラシイ。ああ、早く見たい。

このアルバムは、1975年の「ヤング・アメリカンズ」、8作目。タイトル曲は、2002年の恐ろしい映画「ドッグヴィル」のエンディング曲に使われた。主演は、ニコール・キッドマン。内容、主題もさることながら、演出の手法もキツイ映画なので、体力のある時にご覧ください。が、このアルバム、一番の話題は、ジョンレノンの参加である。「アクロス・ザ・ユニバース」では、ジョンにギターを弾かせて、ボウイが歌っている。2人共作の「フェイム」、実にカッコイー。ジョンのコーラスが、良い!この曲、ボウイにとって初の全米1位、オメデトウ!

世界的にヒットしたのが、1983年の「レッツ・ダンス」からシングルカットした「レッツ・ダンス」。ディスコで随分かかっていたと思う。当時無名だった、スティーヴィー・レイ・ヴォーンをギタリストとして起用したのがエライ。なんとこの曲も、後に映画に使われている。2006年の「パイレーツ・ロック」のエンディング、出演者が踊り狂うのだ。ビル・ナイのキレッキレダンスがたまらぬ。楽しい映画なので、ぜひご覧ください。サントラCDもおすすめ。

さあ、残念ながらボウイの人生も終盤に向かってきた。2013年「The Next Day」、発表。死の3年前。このアルバム、ジャケットが話題になった。1977年のアルバム「ヒーローズ」のボウイの顔の部分を白い四角で塗りつぶし文字を入れただけ。随分思い切った自己否定だ。ちなみに、写真は鋤田正義が撮影した。さて、このレコードは、シングル盤。四角い塩化ビニールにまあるく溝が掘ってある。そして外袋の透明なビニール袋に「The Next Day」と印刷してある代物。よくぞ、こんな変なレコードを作ったものだが、こんなレコードを持っとるワシも、どーかしとる。

今回は、映画「ジギー・スターダスト」公開記念として、デヴィッド・ボウイのお話を致しました。さて、そんなこんなレコードが、そこそこある「レコードバー野中サンハウス」へ、ぜひおはこびください。月に一度ほど、RCCラジオの人気番組「バリシャキNOW」にお呼びいただき、蓄音機で2枚回しています。次回は、1月10日月曜日に出演する予定です。また、タウン情報ひろしまでは、「レコード女子のススメ」というコラムを書いております。毎回、レコードプレゼントがございますので、是非!

さて本日はここまで。今日も明日も名盤聴こう!それでは、みなさん、ごきげんよう。

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