【名盤紀行 】
Vol.22 ホワイト・アルバム

【名盤紀行 】


長崎市出身、広島市在住。映像&イベントの制作会社の広島本社に20年、東京支社に10年勤務。今は「レコードバー野中サンハウス」の店主。今日のレコードは、なあに?

こんち、これまた、ご機嫌いかが?流川の「レコードバー野中サンハウス」店主でございます。2018年冬に開店した「野中サンハウス」では、「アナログ・モノラル・ローファイ」を合言葉に、日々様々な音楽をお楽しみいただいております。10月21日、驚くべき映画が、八丁座にて封切られます。タイトルは「Meeting The Beatles in India」。「インドでビートルズに会う」とな、むむむ、会わせてもらおうじゃあないの!

時は、1968年、ビートルズのジョージ・ハリスンは、インドの文化にハマっておりました。当時、インド音楽の神様、シタール奏者のラヴィ・シャンカールに師事していたジョージは、度々インドを訪れていた。蛇足ながら、ラヴィ・シャンカールの娘は、あのノラ・ジョーンズ。異母姉妹である女性シタール奏者、アヌーシュカ・シャンカールとの共演曲「Traces of You」、とても美しいので、ぜひお聴きいただきたい。

話を戻す。ジョージは瞑想にもハマっていて、メンバー全員を誘ってインドに来ていたのでした。ジョンとポールは、瞑想の合間に、次回作品「ホワイト・アルバム」の為の作曲も行っていたらしい。だって、暇だもんね。

更に時を同じゅうして、ポール・サルツマンと言う23歳の若者が、失恋の痛手を癒しにインドに来ており、瞑想の僧院で、ビートルズに出くわすのでした。8日間を共に過ごし、写真をた~くさん撮ったそうな。後に映像制作者になったサルツマン、倉庫で写真を発見、この度の映画に繋がっていくのでございます。ああ、本当にメデタイ。

1968年11月22日に発売されたアルバムが「ホワイト・アルバム」。真っ白なジャケットに、エンボス加工で、正式名称「The Beatles」と型押しされた文字以外は、通し番号が印刷されているだけ。さすがビートルズ、斬新である。正式名称「The Beatles」、俗称「ホワイト・アルバム」は、ビートルズ初の2枚組全30曲総収録時間は90分以上という大作。イギリスでは8週間1位、アメリカでは9週間1位。

このアルバム、脈絡がないとか、ソロの曲ばっかりとか、いろいろとイチャモンが多い作品でありますが、んなこたあ、ど~でも良いのだ。素晴らしい曲もあれば、そ~でもない曲もあるのだ、てやんでい。

で、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」、ジョージ・ハリスン一世一代の超名曲。アルバムでは、前の曲がだらだらと終わりそうなところで、ジョン・レノンの叫ぶ声「Eh up!」を受けてガっと始まるから、エライ格好良い、血圧上がります。しかも、リード・ギターは、ジョージの親友、イギリスのギター・ヒーロー、エリック・クラプトンであります。ビートルズの録音に参加するなんて、おこがましいと断ったそうだが、ジョージが、強く望んで実現した。実に素晴らしいギターを弾いている。

ビートルズのちょっと後輩にザ・フーがいる。ギタリストのピート・タウンゼントは、1960年頃、ジム・マーシャルに、大音量のアンプを作ってもらった。ハードロックの始まりと言っても過言ではない。そのザ・フーの爆音サウンドに負けてはならじと、ポール・マッカートニーは、「史上最もやかましいヴォーカル、史上最も騒々しいドラム」を目指して「へルター・スケルター」を作曲した。これがビートルズ?と思う程の、ラフでノイジーで激しい曲、やろうと思ったら、すぐに出来ちゃうポール、恐れ入りやす。

このアルバムには「レボリューション」と言う曲が2曲入っている。D面1曲目の「レボリューション1」とD面5曲目の「レボリューション9」である。「レボリューション1」は、少しゆっくり目で4分15秒。「「レボリューション9」は、実験音楽風、ミュージック・コンクレート風、実に8分21秒、ビートルズ最長曲。

シングルカットに当たり、「レボリューション1」では、リズムが遅過ぎるとの事で、再録音したバージョンが、「ヘイ・ジュード」のB面の「レボリューション」。こんなに歪んだギターの音、初めて聴いたので驚きました。さっすがジョン・レノン!ところで、お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、レコードの後ろに「養生薬膳の食卓」と言う本の背表紙が、ちらちら見えているでございましょう?。ご興味ある方、見に来てくださいな、もんのすご~く真面目な本です。

今回は、映画「Meeting The Beatles in India」上映記念で、「ホワイト・アルバム」のお話でした。ご興味の湧いた方、ぜひ弊店「レコードバー野中サンハウス」にお運びください。月に一度、RCCラジオの人気番組「バリシャキNOW」にお呼びいただき、蓄音機で音楽を聴いていただいております。次回は11月14日、月曜日に出演する予定です。また「タウン情報ひろしま」に「レコード女子のススメ」というコラムを寄せています。レコードプレゼントあり、ぜひご応募ください。 さて本日はここまで。今日も明日も、名盤聴こう!それでは、みなさん、ごきげんよう。

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