【名盤紀行 】
Vol.21 映画「エルヴィス」再上映

【名盤紀行 】


長崎市出身、広島市在住。映像&イベントの制作会社の広島本社に20年、東京支社に10年勤務。今は「レコードバー野中サンハウス」の店主。今日のレコードは、なあに?

こんち、これまた、ご機嫌いかが?流川の「レコードバー野中サンハウス」店主でございます。2018年冬に開店した「野中サンハウス」では、「アナログ・モノラル・ローファイ」を合言葉に、日々様々な音楽をお楽しみいただいております。この夏、シネコンで上映された映画「エルヴィス」、もちろん偉大な歌手、エルヴィス・プレスリーの物語。大好評だったようで、なんと八丁座で8月26日から始まりますよ。見逃した方々はもちろん、大きすぎるシネコンの画面にやられちゃった方も、ぜひどうぞ。てなわけで、今回は、プレスリーがカバーした曲、された曲特集でございます。

まずは、カバーされた曲。「ラブ・ミー・テンダー(Love Me Tender)」。1957年、プレスリー初出演映画「やさしく愛して」の主題歌。もちろん全米1位。世界中、沢山のミュージシャンがカバーしていますが、1975年、日本初のファンクバンド「上田正樹とサウス トゥ サウス」のライブ・アルバム「この熱い魂を伝えたいんや」のA面最後に入っています。なんとこの曲、上田正樹ではなく、ギタリストの「クンチョー(本名:堤和美)」が歌っているのです。随分前、アルパーク・ガレージ・ライブに近藤房之助が出演した際、スペシャル・ゲストがクンチョー。房之助曰く「わたしは、偽物ですが、この人は本物です」、その時の「ラブ・ミー・テンダー」、最高でした、また聴きたい。

続いて、「監獄ロック(Jailhouse Rock)」。1957年、プレスリー主演の映画3作目「監獄ロック」の主題歌。もちろん、全米・全英1位。このレコードは5曲入りサウンドトラックEPレコード。ジャケットがええでしょう?この曲も沢山のミュージシャンがカバーしていますが、ジェフ・ベック・グループが1969年に激しくカバー。なぜなら、ハードロック黎明期のジェフ・ベックがギターを弾きまくり、ロッド・スチュワートが叫んでおるからです。ちなみにベースは、現ローリング・ストーンズのロン・ウッド。セカンドアルバム「ベック・オラ」に収録されております。

さらに続いて「リトル・シスター(Little Sister)」。1961年にプレスリーがリリース。全米5位。リード・ギターは、名手ハンク・ガーランド。さて、その曲をスライドギター名手、ライ・クーダーが、1979年にカバー。ちなみに、この曲ではスライドは弾いてませぬが。アルバム「Bop Till You Drop」のA面1曲目。日本語のアルバムタイトルは、「バップ・ドロップ・デラックス」、何故だろう?実はこのアルバム、メジャー・レーベルからのポピュラー音楽としては、初めてのデジタル録音。さすがライ・クーダー、勇気がある!

ココからは、カバーした曲。「知りたくないの(I Really Don’t Want to Know)」。エレクトリック・ソリッド・ギター名器「ギブソン・レスポール」を作ったギター名手と奥様のデュオ「レス・ポール&メリー・フォード」が1954年にヒットさせた。プレスリーは、1970年にカバー。日本では、なかにし礼が詩を書き、菅原洋一が歌って、1967年にヒット。なかにし礼にとって、作詞家として最初の成功作となった。ちなみに菅原洋一は、1933年生まれ、なんとプレスリーより2歳上、しかもご存命、もちろん現役、2021年に米寿記念でシングル曲「詩よ…あなたがいたから」をリリース、椿山荘でディナーショーもやるよって。

プレスリー、無名のシンガーの曲も積極的に歌う。その好例が「ポーク・サラダ・アニー(Polk Salad Annie)」。作曲したのは、アメリカ南部のシンガー・ソング・ライター、トニー・ジョー・ホワイト。1969年のファースト・アルバム「Black and White」に収録された曲。プレスリーは、1970年頃から、ステージでこの曲を歌うようになった。映像を見ると、間奏でかなり激しく「空手」の型を披露する。ぜひお確かめいただきたい。

今回は、映画「エルヴィス」再上映を記念して、プレスリーがカバーした曲、された曲に焦点を当ててみました。本当に素晴らしい映画なので、せひ八丁座へ!そんなこんなのレコードが、そこそこございますのが、弊店「レコードバー野中サンハウス」。こちらも忘れず、お立ち寄りください。月に一度ほど、RCCラジオの人気番組「バリシャキNOW」にお呼びいただき、蓄音機で2枚回しています。次回は、9月12日、月曜日に出演する予定です。また「タウン情報ひろしま」に「レコード女子のススメ」というコラムを寄せています。レコードプレゼントあり、ぜひご応募ください。

さて本日はここまで。今日も明日も、名盤聴こう!それでは、みなさん、ごきげんよう。

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