【名盤紀行 】
Vol.9 シスターズ

【名盤紀行 】


長崎市出身、広島市在住。映像&イベントの制作会社の広島本社に20年、東京支社に10年勤務。今は「レコードバー野中サンハウス」の店主。今日のレコードは、なあに?

こんち、これまた、ご機嫌いかが?流川の「レコードバー野中サンハウス」店主でございます。2018年冬に開店した「野中サンハウス」では、「アナログ・モノラル・ローファイ」を合言葉に、日々様々な音楽をお楽しみいただいております。

長崎の男っぽい家に生まれ、兄と弟の3兄弟、唯一の女性である母もヒゲが濃いという、女きょうだいに無縁の私、この頃、姉妹が気になる。やはり、上白石萌音と萌歌のせいだろう。この姉妹、先にブレイクしたのは、妹の萌歌だが、姉の萌音も大ブレイク。萌音の声が、また良くて、NHK「まいにち養老先生、ときどき まる」のナレーション、最高。が、この姉妹、実は歌も上手く、ともに歌手活動をしておる。ああ、良くできた姉妹、親の顔が見たい。

ということで、今回は「シスターズ」にスポットを当ててみましょう。

まずは、1953年にレコード・デビューしたシカゴ出身の「ザ・ステイプル・シンガーズ」。父、息子と2姉妹の仲良し家族グループだったが、息子がベトナム戦争で徴兵され、その穴埋めにもう1人の娘が入って、父&3姉妹体制になった。父はローバック”ポップス”ポップウェル、トレモロゆらゆらギターとヘナヘナ声が特徴、でも何故かとても良いのだ。娘たちは、がっちり鍛え上げた超強力ゴスペル聖歌隊。1978年に公開された、ザ・バンドの解散コンサート映画「ラスト・ワルツ」では、名曲「ザ・ウェイト」を演奏した、ほんまに名演、ぜひご覧いただきたい。1999年、ロックの殿堂入り。

続いて、カリフォルニア出身のポインターさんちの4姉妹「ザ・ポインター・シスターズ」。このレコードは、1973年発売のファースト・アルバム。1曲目の「イエス・ウィ・キャン・キャン」は、ニューオリンズの巨人アラン・トゥーサンの名曲。かなり売れて、ビルボードで11位。本当に歌の上手い姉妹は、複雑なジャズ・コーラスも軽くこなすが、このファンク曲を力いっぱい歌うライブ音源も、たまりません。翌年1974年、セカンド・アルバム発売。聴き物は2曲目「ソルト・ピーナッツ」。ディジー・ガレスピーの名曲にしてチャーリー・パーカーの名演で知られる曲。そのサックスソロをコーラスしているという離れ業!バカテク4人姉妹は、1977年に1人独立して3姉妹になった。蛇足ではあるがお兄さんがいて、名前はアーロン・ポインター、1970年、西鉄ライオンズの4番打者である。

続いては、シアトル出身、アンとナンシーの美人姉妹が率いるロックバンド「ハート」。1976年、レコード・デビュー。姉のアンがヴォーカル、妹のナンシーがギター。当時、女性がメインのバンドで、こんなにハードな音は珍しく、多くの称賛を集めた。このレコードは、1977年のセカンド・アルバムからシングルカットされた「バラクーダ」、全米11位。

この曲、かつて所属していたレコード会社に対して、「自分たちを食い物にしようとした人食い魚め!」という怒りの曲らしい。ちなみに、このハート、現在も活動しておるようだ、しぶとい。

日本が世界に誇った双子姉妹グループ「ザ・ピーナッツ」、素晴らしいユニット名である。

1959年にデビューしたエミとユミ、ほくろで見分けるらしい。姉のエミは1975年に沢田研二と結婚、その後1987年に離婚、2012年に残念ながら鬼籍入り。とにかく双子ならではの、同じ顔&同じスタイル、抜群のハーモニー、奇跡である。1961年の怪獣映画「モスラ」に「小美人」という謎の役柄で出演。1966年、「エド・サリヴァン・ショー」に出演し、全米を驚かせたらしい。また、コンサートの選曲は、難しい曲が多く、キング・クリムゾンの「エピタフ」、ユーライア・ヒープの「対自核」を歌っている、驚異!

さて、締めはナニワの天才漫才姉妹、海原千里・万理。姉は、1949年生まれの万理、妹は1955年生まれの千里、現在の上沼恵美子である。この「大阪ラプソディー」、1976年にリリース、40万枚売り上げて、オリコンチャートで24位、たいしたもんだ。千理がメイン・ヴォーカルだが、万理のハーモニーが素晴らしい、ほんまに。ところで、弊店「レコードバー野中サンハウス」の近所に「焼鳥 ラプソディー」が開店。はっきり申し上げるが、オイシイ。近所に良い店があるのは、幸せなことであります。

今回は、姉妹に照準を合わせてレコードをご紹介いたしました。さて、そんなこんなレコードが、そこそこある「レコードバー野中サンハウス」へ、ぜひおはこびください。月に一度ほど、RCCラジオの人気番組「バリシャキNOW」にお呼びいただき、蓄音機で2枚回しています。次回は、5月10日、月曜日に出演する予定です。また、タウン情報ひろしまに、音楽コラム「レコード女子のススメ」も毎月寄稿しています。

さて本日はここまで。今日も明日も、名盤聴こう!それでは、みなさん、ごきげんよう。

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