【暮楽人(くらうど)の住まい学 】
Vol.3 「人生一生勉強」

【暮楽人(くらうど)の住まい学 】


リフォーム・リノベーション・新築・不動産のプロフェッショナル、マエダハウジング㈱の前田政登己社長が快適な住まいとライフスタイルを提案します。

先日、県立広島大学大学院経営管理学科(HBMS)のオンライン授業を受けました。実は、今年の3月、私はこのHBMSを卒業しました。残念ながらコロナ禍で全体の卒業式は無かったのですが、無事2年間通い卒業することができました。卒業後も時折、特別授業に参加しています。

35年ぶりの学生ということで、新鮮な気持ちで毎週学校に行きましたが、周りは広島県内の優秀な企業から来ている学生さんばかりで最年長の私はついていくことに必死で、レポート提出やプレゼン資料作成、卒業研究などなかなか大変でした。

「何故、いまさら?」と聞かれることもありますが、行こうと思った理由は「学び直し」です。きっかけは数年前、新聞で見つけた小さな記事。28年前、当時27歳で独立した私は日々食べるために必死でした。社員さんが一人二人増えると今度は悩みも増えました。経営に関して学ぶ場はなく、ひたすら本を読むくらいで我流の経営を続けてきました。

「一度きちんと経営を学んでみたい」その思いが「中国地方初のMBA開設」と言う新聞記事に惹かれたのだと思います。また、尊敬する経営者の先輩が通っていたということも背中を押された要因です。

「20歳だろうと80歳だろうと、学び続ける者は若さを保つことができる」ヘンリー・フォードの言葉ですが、私は「人生一生勉強」だと思っています。それは人間の「知りたい欲求」を満たすために経営でも、趣味でも何でもいいと思いますが、学び続けることが若さを保てる秘訣だと感じています。今でも時間さえあれば本を読んでいます。

学生の頃は「早く大人になって毎日勉強しなくてもいいようになれば」なんて思っていましたが、今では学べる環境を幸せに感じています。会社がありながら、何とか学校に行けたのも周りが頑張ってくれているおかげです。

私の使命としては、いかに学んだことを会社に落とすか、そして地域の活性化に少しでも繋げるか。授業の中では、社会課題をどうビジネスにつなげるかという事例が多く出ました。私もゼミで「住まいの断熱化と健康の関係性」について研究しました。

時には、その道の専門家である大学教授のところまで話を聞きに行き、インターネットで調査も行いました。私は経営者なので、研究して終わるわけにはいかず、それをいかに実ビジネスにつなげるかを考えていました。そして、試験的にモデルハウスを作りデータを取得し、新たな商品開発へと繋げていきました。それが、性能向上リノベーションモデルハウス「三入の家」です。

私は3期生でしたが、現在は5期生が通っています。いまだに会う機会がなく、オンラインでの授業の中、会えることを楽しみにしています。「学びなおし」を目的に通った大学ですが、一番得たものは同期、先生、そして共に学ぶ仲間とのご縁でした。

HBMSでは「多様性と共有価値をマネジメントする次世代ビジネスリーダーの育成」をミッションに世界で求められる次世代型リーダーを育成することを目指しています。一学年約30名ですが、これが10年続くと約300名の卒業生が広島から日本へ、そして世界へとビジネス展開していくでしょう。そうなると、もっと広島が良くなると信じています。

私は、学生時代に決して勉強を頑張ってきた方ではありませんが、社会に出て必要に迫られてコツコツ独学で学んできました。建築も、経営も、人間関係向上も、全てその時の体験学習でした。学校の試験のように正解はありません。記憶力で勝負の試験でもありません。

その場の対応や判断を求め続けられて鍛えられました。「我以外皆我師」自分以外の人でもモノでも皆、自分に何かを教えてくれる先生と思い、様々な人や出来事から学ぶようにしています。このコロナも多くのことを気づかせてくれました。 「人生一生勉強」これからも様々なことから学んでいきたいと考えています。

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