【カメラマンかく語りき 】
Vol.12 横山雄二監督映画の話 パート2

【カメラマンかく語りき 】


呉市在住。グラフィックデザイナーを経て家業のカメラ店を継ぎ、現在は地元におけるドローン撮影の第一人者としても幅広く活躍中のプロカメラマン石田伸二氏の楽しいコラムです

前回は筆者が、RCCアナウンサーの横山雄二さんが監督された『愚か者のブルース』のエキストラで楽しくエロい思いをした話でしたが、今回はちゃんと仕事もしてますよ!って話です。

撮影は2020年2月からスタートし、筆者が担当するパート撮影が3月の夕方からのシーン。どんなシーンかと言うと夜の流川通りをドローンで撮影という中々のハードルが高い撮影依頼でした。

最初は「流川町のどこかで許可を取ってドローン撮影をしようか?」と打ち合わせをしたのだけれど、やはりドローンを街中で飛ばすのは許可を取るにしても大変なのと、第三者の動きを止めることが出来ない場合は撮影もできないので、違う方法で検討し直し。

考えた挙句、某ホテルが撮影に協力していただけることになり、建物の屋上から真っ直ぐに目視内で飛ばすのであれば許可が取れそうだとわかり、筆者がお世話になっているドローン法律のエキスパートとして知られる行政書士にお願いして許可取りを進め、その方法に決定!

下見が事前に出来ないスケジュールだったので、ぶっつけ本番でホテル最上階に行くと…そこは、なんと平らなエリアがほとんど無いグレーチング状で作られた鉄骨だらけの屋上エリア。「ここからフライトですか?」「はい」「全力を尽くします!」ドローンを飛行されてる人でしたら、わかると思いますが、機体はまずGPSの他に色んなセンサーが起動した上でまともに飛ぶわけですが、鉄骨はコンパスを狂わすため、まともに起動しない場合があります。

起動してもエラー表示が出たままで、非常に気持ち悪いコンディションで飛ばさないといけません。しかもホテル最上階。もし墜落させたらネットニュースにトップ表示もありえます!そうならないためにこれまでの知識と知恵で何とか工夫し、エラーを出さずに起動させて、限られた時間の中で撮影をキチッと終えさすことが出来ました。

プロデューサーもなぜ僕を呼んだかと言うと、これまで一緒に仕事をしてきた中で色んな現場での撮影経験値があることを知っててくれ、「石田なら何とかうまくやってくれる!」と信用してくれてるからこそ、僕もそれに答えようと頑張りましたよ!

まだ映画を見てないので、どんな風に使われてるのか?はわかりませんが、短いカット映像にも途轍もない苦労があるってことを知っていただけたら幸いです。

■「愚か者のブルース」広島先行上映スケジュール

7月29日(金)~8月25日(木)横川シネマ
8月26日(金)~9月22日(木)福山駅前シネマモード
9月9日(金)呉ポポロシアター、尾道・東京でも上映予定

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