【カメラマンかく語りき 】
Vol.13 ナウシカのような人の話

【カメラマンかく語りき 】


呉市在住。グラフィックデザイナーを経て家業のカメラ店を継ぎ、現在は地元におけるドローン撮影の第一人者としても幅広く活躍中のプロカメラマン石田伸二氏の楽しいコラムです

映画「杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦」―前田せつ子監督が人間よりも自然に従う風変わりな造園家に3年間密着して撮りためたドキュメンタリー映画。

環境問題をピックアップした映画は数多くあるけど、この映画は少し目線が違ってて、ざっくり言うと造園家の活動が中心の内容で、なぜ大規模な災害が起こるのか?こんな川が何で氾濫するのか?を紐解いていく内容。ほんまざっくり…⁉

ここ広島も平成30年に起こった未曾有の大災害が起こった。まだまだ記憶に新しい「西日本豪雨」だ。筆者も当時は自分の店舗も少しではあるが浸水し、呉市内は特に大きな被害を被った。

そんな中、カメラとドローンを持ってとにかく被害状況を呉市役所の災害本部に伝えるべく、ボランティアで毎日毎日、車で、バイクで、そして歩いて色んな場所を撮影しては情報をフィードバックしていました。

そんな中で出会った前田せつ子監督と矢野智徳さん。呉市原地区近くの集落が崩壊し数人の死者も出したエリアをぜひ撮影してほしい!との相談を受け、撮りに行ったのがこの映画に関わるキッカケとなりました。

筆者はドローンを使い、山崩れした山々の状況や土石流で飲み込まれた集落などを広範囲で撮影し、その地で生き残った住民の方とお話をさせていただきながらカメラでもその様子を撮影して回りました。

矢野智徳さんは、崩壊した道をショベルカーに乗り、お一人で作業されてたので、当時はお話する機会がなかったけど、むやみに掘るのではなく、今後雨が降っても水が暴れないように考えながら作業されてました。

ただただ、コンクリートで川の法面を固めたら良いとか、ダムを作れば良いとかではなく、水の流れに逆らわずその地に合わせた事をトータルで考えないと地球温暖化で天候がおかしな方向にいってる昨今、対応出来ない山や川が怒って氾濫を起こす事になってしまわないように、ぜひこの映画を一人でも多くの人に見ていただけたらと思います。

■リンカランフィルムズ
https://lingkaranfilms.com

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