【カメラマンかく語りき 】
Vol.1 プロカメラマンと言う仕事

【カメラマンかく語りき 】


呉市在住。グラフィックデザイナーを経て家業のカメラ店を継ぎ、現在は地元におけるドローン撮影の第一人者としても幅広く活躍中のプロカメラマン石田伸二氏の楽しいコラムです

みなさま初めまして。広島県呉市でプロカメラマンを生業にしています、石田伸二と申します。さて、いきなりですが皆様に質問です。デジタル全盛期の時代、国民がスマホやデジカメを使えば誰でも総カメラマン時代において、「プロカメラマン」は今後も成長する職業だと思いますか?

「誰でも撮れるしダメじゃろ」そう思われている方もいらっしゃると思います。

プロカメラマンである僕でさえたまに思う時があります(笑)で、答えは「イエス」でもあるし、「ノー」でもあります。「ノー」を先に答えますね。カメラマンに資格は無いので誰でも「プロカメラマン」「写真家」と名刺の肩書きに書いてもいいです。実際に違う職業をしている人でも趣味で写真を撮ってる方で「写真家」って名乗ってる人いますし。

普段、プロカメラマンとして活動している方は二通りあって、依頼を受けて注文通りに撮影する「商業カメラマン」と、自分のセンスを前面に出して評価される「写真家」タイプがあります。写真家タイプは自分の好きなものを自由に撮ることで認められなくても自己満足感はあるので売れるまで、頑張るしかないアーティスト感覚ですよね。商業カメラマンタイプは世の中のプロと言われるカメラマンのほとんどがそれに当たると思います。このカテゴリーは撮影依頼が多い分、よほど下手で無い限り食いっぱくれは無いと思いますが、ライバルやアマチュア上がりのカメラマンが多いのも事実で、最終的にいくらで撮ってくれるか?の「値段」になってしまうこともあります。そうなるともう負のスパイラルに巻き込まれて最終的には仕事が減ってしまい、成長どころか自滅パターンもあります。

値段競争に巻き込まれず、自滅せずに済む方法は1つ、「強いカテゴリー」を持つこと。「強いカテゴリー」で成長するとはどう言うことか?僕が得意とする撮影で周りのカメラマンがやってない撮影を仕事にしている事。その1つがドローンを使った撮影。「なーんだ、みんなやってるし、今では素人でも飛ばしてるよ!」そう、現在では確かに周りのカメラマン仲間もやり始め、アマチュアでも趣味で飛ばしていますよね。

僕がドローンでの空撮に取り組んだのは、民生用でドローンと言う機材が初めて世に出始めた2010年頃。その頃にドローンを買って仕事に取り組むカメラマンは広島近辺ではほぼ見かけませんでした。それはもう、何もかもが手探り状態から初めて、壊しては購入してまた墜落の繰り返し・・・。なんども心が折れつつも、機材の進化と操縦する技能が向上し、いつしか全国にドローン仲間との交流(SNS)が生まれ、県外のオフ会に参加しては遊びながら常に新しい情報や技術を身につけました。

今でも、当時に遊びながら技術の交流会をしてた仲間とはご縁が繋がっています。その仲間の面々も現在ではドローン撮影の世界で第一線で活躍している人が多く、全国区のCM、映画やNHKのドラマでのショット撮影、中にはハリウッド映画にもドローングラファーとして参加している友人も!そんな仲間の輪の中で得られる情報はとてもエキサイティングだし、「僕も頑張ろう!」と刺激になります。

どの職業にも共通する「強いカテゴリーを持つ」「自分はこれしか出来ませんが任せてください」と自信を持って言える武器を手に出来たらコロナ時代でも生き残って行けると思います。初回とい言うことで、随分と偉そうなことを書いてしまいましたが、次回からはもう少しお気軽な感じで投稿したいと思います。

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