【酒比べ!酒探し! 】
Vol.4 豪雨被害の藤井酒造に出動

【酒比べ!酒探し! 】


日本三大酒処、西条を擁し、酒にうるさい広島の左党をうならせる日本酒と焼酎専門店「味比べ味探しのお店こびと」。若き店主、小畠誠史さんがお酒にまつわる様々なエピソードや、ここだけの情報をお伝えします。

今回は前回に続き、広島県竹原市の「龍勢」を醸す藤井酒造さんに行ったお話。

令和3年7月の豪雨で蔵が浸水し、被害は10,000本以上。3年前にも豪雨被害にあい、また今年の夏も被害に。

ぶち、お世話になっとるし、わし自身も大好きな蔵で、いてもたってもおれんのでアポ無しだったけど、蔵に行った。着いたら広島の他の蔵の方々が、もう作業に没頭されとった。現地に到着すると、わしら一般人は造り蔵のほうじゃなく、昔ながらの畳の応接間のお部屋のお掃除をすることになった。床上まで浸水してしもうとって、畳も使い物にならん状態。床下には泥が流れ込み、ぐちょぐちょ。

たちまち、濡れた畳を外に出して、天板を洗って干して、床下の泥を掻き出す作業から。15人ほどで、運び出す班、泥を掻き出す班、水拭きをする班に分かれて作業がスタート。濡れた畳は、とにかく重たい。拭けども、拭けども、なかなか泥が落ちきらない。床下には、わしぐらい小さい人(157センチ痩せ型)しか入り込めんけん、大きい男性には、ずいぶん大変そう。なんじゃかんじゃで、みんなで頑張って、午後すぎぐらいには、そのお部屋の作業完了。

それから次は倉庫のお掃除。大切じゃろう古文書なども濡れとったぁ。他にもいろいろな物が入っとる段ボールや昔の造り道具も。2つ倉庫があるけん、1つの倉庫の荷物をもう1つの倉庫に運び入れ、床に溜まった泥を掻き出す。バケツリレーのように荷物を運び出し、みんなで床をきれいにして、次に浸水があった時のために、お酒を入れる“ピー箱”という赤茶色の箱で土台を作って高床式にする。これを2部屋分やってここの作業は完了。

そして次は、さっき言うとった、ピー箱を一つ一つ手洗いして泥を綺麗に洗う細かい地道な作業。それとフォークリフトでお酒を運ぶ時の“パレット”というプラスチックの板を高圧洗浄機で泥を落として綺麗にする作業。これが、なかなか綺麗に泥が落ち切らん。綺麗になったと思っても、乾いたら表面に少し泥が残っとる。またやり直し。でも、このピー箱にお酒を入れて出荷するけん、綺麗にしとかんと、出荷の時に瓶に泥がついてしまうけん、綺麗にせにゃいけん。地味な作業じゃけど大事な作業。

あれやこれやで夕方になって、その日の作業は終わった。あっという間の1日だった。

これより先、わしらができることは飲んで応援するだけ。1日一杯。いやいっぱい!(笑)。龍勢のお酒で乾杯しましょ!!

ほいで、こびとは勝手に“龍勢”特約店はじめました。常に10種類ぐらいはおいとりますけん、ぜひ飲んで応援してくださいませ。お家でも、こびとでも、どうぞ!

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