【カメラマンかく語りき 】
Vol.8 先生には向いていません!?

【カメラマンかく語りき 】


呉市在住。グラフィックデザイナーを経て家業のカメラ店を継ぎ、現在は地元におけるドローン撮影の第一人者としても幅広く活躍中のプロカメラマン石田伸二氏の楽しいコラムです

写真や映像を撮るのが職業なので、当たり前と言えば当たり前なのだが、「写真がうまくなりたいので教えてほしいんですが、写真教室とかやってますか?」と、聞かれることがある。

過去にはカルチャースクールからの依頼で写真教室をやったこともあるし、マンツーマンで毎回テーマを決めて開催したこともあったけど、現在はやっていない。というのも自分で言うのもおかしいが、教え方が難しい…。どう教えたらいいのか悩んでしまう。プロらしからぬ言葉ですいません!

例えば、「今回のテーマはボケ感について」って話をしたとします。絞りとシャッタースピードの関係をパワーポイントで作った資料を参考にしながら話を進めるんだけど、そんなの15分もあれば終わってしまう。時間を持て余すので、実際に撮影をして仕上がりを見て評価することで時間を費やす。でも、自分の中では教えることはこれで終わりになるんです。

以前にカルチャースクールで写真教室をやった時に難しく感じたのは、生徒さんが知りたい、習得したい、カメラ技術がみんなバラバラ。なんの習い事でも生徒さんの能力が違うのはよくあることだが、カメラの場合はそこに「撮りたいものが、それぞれ違う」ってこと。

それこそ、「我が子の運動会で上手に撮りたい」「ペットが走り回るのを止めたように撮りたい」「手作りした器を綺麗にブツ撮りしたい」「アマチュアモデルを可愛く撮りたい」などなど。ペットを撮りたい人がブツ撮りを習っても仕方ないし、可愛い女の子を撮りたいのに、お花の撮り方を習っても身が入らないと思うんだよね。

僕の性格上、習い事をするときはピンポイントで知りたい人なので、あれこれ考え過ぎてしまうんですよね。つまり、「先生」が出来る人と出来ない人については、向き、不向きがあるってこと。そして必ずしも「先生」と呼ばれる人は、実際の仕事の実績が伴ってないことも多い。教えるのが得意なだけで、本人の実力はたいして…っていう某カメラメーカー専属の先生もいます(驚)。

おっと、これ以上は業界の闇に触れてはいけないので、ここで辞めときます。この続きを知りたい方は実際にお会いして美味しい食事でもしながらお話ししましょうね。

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