【防災を学ぶ 】
Vol.1 企業に求められる「防災取組み」
「BCP(事業継続計画)策定」

【防災を学ぶ 】


平成最大の豪雨災害として広島に甚大な被害をもたらした2018年の西日本豪雨(気象庁命名=平成30年7月豪雨)、そして今年20120年夏の記録的な豪雨…我々の生活はいつ自然災害に襲われてもおかしくありません。備えあれば憂いなし、防災のプロフェッショナルが様々なアドバイスをお届けします

瀬戸内コンサルティング株式会社代表の津森正裕と申します。広島で企業・団体の安全活動をお手伝いしながら、広島県自主防災アドバイザーとして地域の防災活動の支援も行なっています。

この記事をご覧いただいている、まさに今、皆様のスマホ・携帯から「緊急地震速報」が鳴ったら、どう行動されますか。従業員の方はどのように対処したらよいか、行動レベルで認識されていますか。私は関東から転勤で広島に来て10年になりますが、関東では多くの人は命を守る姿勢・行動をとられます。一方、広島ではそのままの姿勢で何もしない方が多いように感じます。

企業には、収益、売上、雇用・人材、働き方改革等々、多くの経営課題があります。「リスク管理・BCP(事業継続計画)策定」もその一つです。広島では、ここ数年、自然災害により地域も企業も甚大な被害を被っています。新たな感染症が蔓延しており、また南海トラフ巨大地震の発生も予想され、防災取組みの強化が必要になっています。

災害は実際に遭遇するまで、その深刻さは理解しにくく、「自分だけ、自社だけは大丈夫」と思いがちです。いったん被災すると、事業存続の危機に直面するだけではなく、従業員(家族)の生活、取引先や地域社会にも深刻な影響を与えます。

「災害の大きさは、地域・企業の発災前の実態をそのまま反映する」といわれています。「正しく恐れて、正しく備える」ことに努めましょう。「災害を知る。」「地域の地形や歴史を知る。」「社員・取引先を知る。」「情報を的確に入手する仕組みづくり」「計画の作成と実践」などです。

初歩の企業防災として中小企業でも取組みが進んでいる「事業継続力強化計画」申請制度をご存じでしょうか。事業者が作成した強化計画を、経済産業省が審査し、認定した企業は中小企業庁のホームページに「認定企業」として公表します。昨年7月に開始された制度ですが。今年7月末時点で、全国で11,775件、中国地方では946件(広島県322件)が認定されています。

「自社の自然災害リスクの確認」「安否確認や避難行動などの初動対応手順」「人員確保、建物・資材の保護、資金繰り対策、情報の保護の対策」「訓練や計画の見直し」などが、今回の計画で求められる項目です。

認定を受けた企業には、この申請計画に含まれる「防災・減災設備に対する税制措置」、「補助金の優先採択」などのメリットも用意されています。検討される企業は、商工会議所などに相談をされてみてはいかがでしょうか。

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