広島県北部に位置する人口26,000人余りの安芸高田(あきたかた)市。地元ローカル局・広島ホームテレビが、石丸伸二市長当選から数百時間にわたって安芸高田市政に密着取材を行い、2021年11月、テレビ朝日系列「テレメンタリー」で30分番組を放送。番組は好評を博し、翌年春に50分版を放送すると、その後アーカイブ配信が900万回以上の再生回数を記録した。
ローカル制作ながら全国で知名度を高めた番組を再編集し、映画化した「#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】」が、5月25日(土)から東京・ポレポレ東中野を皮切りに順次、全国劇場で上映される。公開に先立ち、広島ホームテレビ内で試写会が開催され、岡森吉宏監督、立川直樹プロデューサーが挨拶を行った。
【岡森監督コメント】
今回の取材を通して、安芸高田市は人が優しく、のどかで良い町だと感じました。その一方で、人口減少が進み、観光資源や宿泊施設も少なくなり、町としての活気がないような気がします。安芸高田市のような町は、広島県内のみならず全国のいたるところにあるでしょう。現状に葛藤している自治体が多い中、安芸高田市においては、石丸市長や議会という「政治」が町の活力を生み出す手段・方法として大きな役割を担っていると思います。この町で巻き起こる「地方政治」にまつわる出来事や騒動を多くの方々にご覧いただき、“自分ごと”として政治や町づくりに関心を持っていただくとともに、未来に繋がる何かを考えるきっかけとしてもらえれば嬉しいです。
【立川プロデューサーコメント】
今作では、「石丸市長と議会のどちらが正しいのか」という観点ではなく、「地方政治では、どのような人が、一体何をしているのか」ということや、いろいろな考え・価値観に基づいて地方政治が進められていることを感じとっていただきたいです。おそらく、鑑賞される方によって重んじる価値観は異なると思いますが、わざとその部分をざわつかせるような作りにし、YouTubeなどで「論破した」、「こちらの方がいい」と即座に賛否を判断・拡散する現状へのアンチテーゼも含ませました。作品を通して、皆様にはいろいろな角度で考えていただき、自身の自治体がどうなっているか、についても考えていただければ幸いです。
【作品紹介】
広島県北部に位置する人口26,000人余りの安芸高田市。2019年の参議院議員選挙の際、河井克行・案里夫妻による大規模買収事件が起こり、過疎・高齢化が進む小さな地方都市・安芸高田市においても、現金を受け取った当時の市長と市議3人が辞職した。その後、2020年8月、急きょ実施された市長選で市民が選んだのは、政治経験ゼロ、元銀行員の37歳・石丸伸二だった。
石丸市長は、「政治の見える化」を掲げ、ツイッター(現X)での情報発信を積極的に行い、市民からの期待も高まるが、最初の議会から紛糾する。効率的で持続可能な市政を目指し、非合理的と判断した事業の中止や新しい政策を次々と打ち出す新市長と、従来の手順を重んじる議員たちとの溝が深まるなか、石丸市長のある投稿をきっかけに、議会は思わぬ方向へ展開していく―。
「是々非々で」といいながら、どうして市長と議会に軋轢が生まれたのか。なぜ“広島県安芸高田市議会の騒動”が、ここまで全国的な注目を集めたのか。満を持しての劇場版となる本作は、テレビ放送では入らなかった市民の動きや、その後の取材を大幅に加え、再構成した。
“つぶやき”が巻き起こした騒動―新市長の政治改革は、議会や市民、そして未来へつながるのか?いち地方議会の問題から見えてくる、この国のいたるところにはびこる”オキテ”とは?
【県内上映予定】
・ 6月7日(金)~ 八丁座、イオンシネマ西風新都、福山駅前シネマモード
・ 6月8日(土)~ シネマ尾道