こんにちは、映像クリエイターのおばDです。それでは、ご一緒に。彦摩呂さんの「味の玉手箱や〜!」の口調で「おばDの、映像玉手箱や〜!」。そろそろ、飽きてきましたか?
前回、ノンリニア編集とリニア編集について熱く語ってしまいましたが、「ネタがちょっとマニアックすぎるのでは?」というご指摘を受けてしまいました。どうやら自分が興味のあることは、みんなも興味があると思い込んでしまう傾向があるようです。本当にアホですね〜ということで、マニアックな動画制作の話題の中でも、読者のみなさんに共感してもらえそうな内容を考えてみました。今回は、カメラの前で喋る、ということに焦点を当ててみようかな?と思います。
それでは、単刀直入に質問させていただきます。「あなたは、テレビに出たことありますか?」。テレビ局から取材を受けた方はもちろん、お盆の帰省ラッシュのニュースで、広島駅でインタビューされた、とかでもいいんですが。テレビじゃなくても、自社のホームページ動画に出演した、とかでもOKです。
これ、取材された方はお分かりだと思いますが、結構緊張するんですよ。だからなのか、不特定多数の方にインタビューしようとすると、半分は断られます。私も、本通りでインタビューなどを、よくやってましたが、使える話を5人撮影するのに、2時間くらいかかったりすることもザラにありました。
普段は撮影する側の私も、リポーターとして出演したことが何度かあります。日曜日の朝放送している「サンジャポ」でもよく、どう見てもスタッフという人が黒いスーツを着て、カメラに向かってリポートしてませんか?そもそも、プロのリポーターさんにお願いする予算がない場合、ディレクターが出演することもあるんですよ。
初めてカメラの前でリポートした私は?というと、昔の人がよく言う魂が吸い取られる状態にでもなったのか、なぜか緊張してしまい、うまくしゃべれないではないですか…「あれ?おかしいぞ??めっちゃ恥ずかしい‼」。そして、まず思ったのが「リポーターさんってすごいな〜」です。
言わなければいけないことを順序立てて話しながら、しかも面白く、歩いたり、食べたり、自分の立ち位置とカメラとの距離などを考えながら動く。当たり前のようにリポートしてもらってたけど、実際やると、その難しさがめちゃめちゃわかります。
さて、みなさんは、もしテレビの前で何か喋らなければいけない時に、どうしますか?お盆の帰省ラッシュについてのインタビューなら「大阪のおばあちゃんの家に行きます」とか、ひとこと答えるだけなんで、なんとかなるでしょう。厄介なのは、もっと長く喋らないといけない場合です。このケースでは、受け手側から取材陣に絶対と言っていいほど、伝えられることがあります。それは「カンペ(※カンニングペーパー)ないんですか?」。
まず、ほとんどの方が言ってくる「カンペないんですか?」に、私は毎回同じことを答えています。今後、みなさんが取材を受ける時のためにも、覚えておいてください。それは、「カンペは見ないほうがいい」ということです。カンペをなぜ見ないほうがいいのでしょうか?その理由は、①目線が字を追ってしまい、読んでるのがバレる。特に目が大きい人は一発です。②自分の言葉になっていないので、伝わりづらい。どうしても、読んでる風になります。
ニュースキャスターが長々と原稿を読んでも、そんなに不自然ではないのは、カメラのレンズの位置にカンペが大きく映し出される、「プロンプター」というものがあるからです。プロンプターは、スタジオのカメラ限定のもので、普通のカメラにはついてません。そのため、レンズの横とか上とかにカンペを出すわけです。しかし、例え写真でも、レンズを見ているかどうかは、意外と一瞬でわかりますよね?それと同じで、カンペを読んでると、99パーセントバレます。政治家の方が、よく「自分の言葉で喋ってない」とか言われますが、まさにあの状態になってしまうんです。
なので、私としては、カンペを出さずに、少し間違えてもいいから、自分の言葉でお話しされることをお勧めします。人間だから、間違えてもいいんです。そのために編集というものがあるんですから。話が上手な人も下手な人もいますし、上手か下手かよりも、「伝えたいかどうか」の熱意のほうが大切だと思います。中継の場合は、やり直しが効かないので、要点だけを書いたカンペを出すようにしていますが、ほんとはこれも出したくないくらいです。
まあ、かくいう私も、たくさんの人の前で喋る時、やっぱり緊張するんですけどね。でも、そんな時は「自分をよく見せようとするから緊張するんだ。ありのままでいこう!」と自分に言い聞かせております。
みなさんも、もし取材を受けることがあったら、目の前のディレクターやカメラマンに聞いてみてください。「逆に、ご自分も撮影されることあるんですか?」と。大概みんな、「いや、私は映りたくないんで…」と吐き捨てるように言うでしょう。そんな人たちから取材を受けているんだと思って、堂々とインタビューに答えてください。きっと気が楽になるはずです。いかがでしょう?ちょっと動画を身近に感じていただけましたでしょうか。それでは、またお会いしましょう!